新装版
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第9章 死者は何を想い続けているか | ||
2.あなたは先祖に殺される | ||
死者はすがることを絶対にやめない あがめたてまつる神佛のような先祖なら、私達子孫の人間を、救って下さっても不思議はありません。 つまり、先祖を崇拝している人は、先祖をカミのように偉大な存在と思っているので、先祖は、いつも必ず自分を守ってくれるものと信じています。 ところが、私達の先祖は、誰一人、偉大な御佛(かみ)になっていません。亡くなって、いわゆるあの世へ行けば、この世のような肉体という乗り舟の無い魂だけの姿ですが、その魂も、人間の塊です。人間のままなのです。 生前の性格も、想いも、そのままの魂で生きています。少しも、おそれ多い崇高な御佛(かみ)のような魂になっていません。 先祖とは、そういう状態にある人々であることを、先ず、よくよく知っていただきたいと思います。 仕事がどうもうまく行かない。思わぬ出費がかさんで、なかなか貧困から脱出できない。 「気のきいたご先祖様なら、ちょいと助けてくれてもいいのじゃないか」 冗談のように、そういって嘆いている人をたくさん見ます。 先祖のことを、子孫を助ける力のある人たちと考えている証拠です。残念ながら、それは間違いなのです。 こういう考えの人達に、それは霊障であって、先祖の誰かが、あなたにすがって来ているのです――と伝えると、先ず、こう叫びます。 「冗談じゃない。こっちがすがりたいというのに!」 そして、その次は、 「何故? どうして、自分がそんな目に遭わなきやいけないの?」 「先祖なら、守ってくれるべきでしょ!? 苦しめることはないでしょ!」 「そんな理不尽な! ほかへ行って下さい」 などとわめき立てます。 ところが、どんなにわめき騒いでも、何の役にも立ちません。「そうか」といって、すがることをやめてはくれません。 もう一度言います。死者は、御佛(かみ)ではなく人間だからです。しかも、苦しい状態の中で必死にこの世に肉体を持つ子孫・縁者を頼って来る人間なるが故に、あなたの気持ちなど、少しも考慮してはくれません。 あなたが、気付いて、素直な心になって供養するまでは、絶対にあきらめてくれないのです。 |
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