「心の時代」の
人間学講座
石川光男/船井幸雄/草柳大蔵 アス出版 

 心の持ち方ひとつで難病も治る

 人間は、意識で考えたことは無意識に伝わり、無意識の世界に入った情報は植物身を左右します。イメージ療法は、この仕組みを利用して、病気を治したり健康状態を改善したりするのです。
 まず、無意識へ伝わりやすい情報の形とはどのようなものかというと、「〜したい」という未来へ対しての願望ではなくて、現在形であり進行形でなくてはなりません。「〜したい」という願望は、逆に言えば「今は〜ではない」ということを自ら認めていることであり、こういう情報に無意識は反応しにくいのです。
 ですから病気の人は、「私は健康になりたい」と思うのではなくて、「私はどんどん健康になりつつある」「今日も快方に向かっている」と思わねばなりません。
 同様に「美人になりたい」と思ってもだめなのです。それは「私は美人ではない」ということを意味しているからです。ところが、「私は美人だ」「私はどんどん美しくなっている」と思うと、その情報が無意識に浸透して、本当に美人になるのです。これが一番お金がかからなくて、確実な方法です。(笑い)
 この原理を、言葉ではなくイメージを利用して病気治療に役立てているのがイメージ療法です。
 なぜイメージを利用するかというと、無意識系はイメージと強くつながっているので、イメージを描いた方が、早く、確実に無意識に伝わり効率が良いからです。
 これに対して、言葉は意識と強くつながっているために、イメージに比べると無意識に浸透しにくいのです。これは理屈ではなく、経験的に分かることです。
 それでは具体的にどのようにイメージ療法を行なうかと言えば、たとえばガンの場合、まずガン病巣の写真を患者に見せてしまうのです。その上で
 「このガンの細胞を、毎日一つずつ意識の力で消していきなさい。ガン細胞が毎日一つずつ弱まって消えていく様子を頭の中で想像しなさい」と指示するのです。最初は誰でも抵抗があるのですが、それができるようになると、ちゃんとガンが小さくなっていくのです。
 ここで重要なのは「信じる」ということです。「信じる」という意識作用は無意識と深いつながりがあります。信仰によって病気が治るということがありますが、あれにも同様の科学的根拠があるのです。
 これは魔法ではありません。先はどの図を思い起こしてください。意識世界でイメージを作りますと、それは直ちに無意識世界に浸透します。すると無意識世界は入った通りのイメージに従って植物身の自律神経系、ホルモン分泌系、免疫系を動かします。そこから先は人間の潜在的な生命力にまかせておけばいいわけです。それで治るような生命力を持っているのが人間であり生命体なのです。
 同じことをエイズ患者にやってみたんですね。ところが、エイズの方がガンよりも難しいんです。ガンでしたら病巣の写真を見せられますが、エイズの場合は、免疫力が低下するために合併症が起きるので、イメージを描きにくいのです。ガンでは、病巣の写真を見るということによって、それが消滅する具体的イメージを描きやすいのですが、エイズではそれがやりにくいのです。
 しかし最近、イメージ療法によってエイズが治ったという症例が、たった一例ですが報告されたということを聞きました。それほど、私達の心と身体のつながりは強く、人間というのは、驚くべき生命力を持っているのです。
 
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